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2011.01.28 (Fri)

EXIT! 第3話 「復活」

起きる。

あたりを見回した。

何も見えない。

真っ暗だ。

頭が痛む。

・・・・・・俺、死んだんだ。

ココは天国だろうか。

いや、こんな暗いってことは地獄かな。・・・そんな悪いことしたっけ?

俺は、高岸 時矢。

徐々に消えかけた記憶を取り戻そうとする。

中学2年生 足が速い 友達は坂井冬吾。

学校に爆弾を仕掛けられて、脱出しようとしたら・・・撃たれたんだ。

「おい。」

どこからか、老いぼれたじいさんのような声が聞こえた。

いつの間にか前に立っていたのは・・・

クマのぬいぐるみだった。どこからか差し込んできた光に照らされている。

立っていた?いや、座っていたんだ。

それより、喋った。

「おい、お前。」

まだ、現実を受け止められていない時矢に淡々と続ける。

かわいい見た目とは裏腹に結構言葉づかいは荒い。

「良かったな。お前。」

時矢はカチンとする。

「俺、死んだんだろ。何が良かったってんだ。」

「お前、まだ生き返れるよ。」

「・・・馬鹿かよ。」

「ココは、天国でも地獄でもねぇ。まぁ、天国の3歩くらい手前かな。」

「中途半端だな。」

「今から、高岸 時矢。お前を過去の世界に帰す。」

時矢は驚く。悪い夢でも見てるのか。いや、俺死んだんだ。

「チャンスは3回。自らの命を救い、学校を救え。」

唐突すぎて意味が分からない。

まぁ、要するに。クマは一呼吸開けて言った。

「脱出口を開け。」

一瞬の閃光が走る。

気付けば、いつものクラスに戻っていた。

「う、動くんじゃねぇ!」

あの、銃を持った男だ。

丁度、クラスに入ってきたところだ。

時矢は目の色を変えた。

要は、突破すればいいんだ。

いや、突破、してやる。

:CONTINUE:
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2011.01.19 (Wed)

EXIT! 第2話 「始動」

その次の瞬間だった。

教室の後ろのドアが豪快に開かれ、長身の覆面を被った男が出てきた。

「う、動くんじゃねぇ!」

教室に男の低い声が響き渡る。

生徒の会話はピシャリと止んだ。

教卓に居た担任教師も止まった。

その声の正体は黒い覆面をかぶった大人の男だった。

片手に銃を持ち、こちらに向けてくる。

恐怖のあまり気を失ったのか。1人女子がその場に崩れるように、倒れた。

それを心配した女子が駆け付ける・・・事はできなかった。

「・・・何か用ですか?」

状況をイマイチ理解できてない担任教師が言い放った。

石狩 誠(いしかり まこと)

今年で30才を迎える。担当は社会。

先生のクセしてマイペースでのほほんとした性格で有名だ。そして、空気が読めない。

「うるさい!しゃべるな!」

そう返す男の銃を握る左手が震えているのが時矢には見えた。

石狩はまた口を開く。

「ハイジャックでも、バスジャックでもない、スクールジャックってか?」

「う、撃つぞ!!!」

男は興奮しながら返す。

さすがの石狩も口を閉じたようだ。

生徒は誰一人、微動だにしなかった。

教室には異様な空気が流れた。

いや、むしろ流れない方が可笑しいであろう。

それから男は着ていたダウンジャケットのポケットからトランシーバーのようなものを取り出し話した。

「こちら2-1担当。教室をジャック完了。」

男はようやく落ち着いた口調で話しだした。誰かと連絡を取り合ってるようだ。

教室をジャック?時矢は心の中で呟いた。

また、男が話しだす。

「この、学校に爆弾を仕掛けた!」

覆面男を除く、全員が驚愕した。

バタンという音とともに石狩が気絶した。

男はほくそ笑みながら続けた。

「昨日の書きこみ。知ってるヤツは多いだろうが・・・あれは俺たちだ。ついでにこの銃は勿論本物だ。」

直後、銃声が鳴り響く。

天井には弾丸が突き刺さっていた。

クラスのほとんどが硬直した。

しかし、時矢は違った。

・・・逃げられる。

ここからドアまで10M。

俺の脚なら・・・行ける!

ここは2階だ。昇降口は1階。

一瞬のスキをついて、教室を出て、階段を下りて、すぐ外だ!

そしたら、近くの家に立ち寄るとかで警察に通報すればいい。

完璧だ!

自分が逃げたら、クラスメイトに危害を与えられる。そんな事は頭の中に出てこなかった。

丁度、その時だ。

男がトランシーバーを落とした。

今だ!

男がトランシーバーを拾うためかがむ。時矢はドアまで9M!

男が拾い上げる瞬間。8M。

男が気付く。7M。

腰の銃を手に取る。6M。

引き金を引く。4M。

狙いを定めた。2M。

銃声が響いた。0M。

弾丸はドアに突き刺さった。

そのまま、ドアを出て廊下を風の如く走る。

階段へ向かう。

1階に降りる。

1階の1年生の教室の前の廊下を駆ける。

5組。

4組。

3組。

2組。

教室の前を駆ける。

その時だった。

4組のドアが強引に開かれ、銃声が響いた。

時矢の体に衝撃が走った。

走っていた勢いで3Mくらい転げてしまった。

心臓が熱い。

意識が、朦朧とする。

記憶が走馬灯のようによみがえる。

時矢の息が、途絶えた。

:CONTINEW:
































17:37  |  小説  |  トラックバック(0)  |  コメント(9)

2011.01.17 (Mon)

EXIT! 第1話  「予感」

冷たい風。

晴れた空。

昨日までの雪が嘘のような冬晴れとなった。

まだ道のところどころに残雪が積もっている。

時間は朝の7時30分。小学生の登校時間だ。

それを踏みながらはしゃぐランドセルを背負った小さな小学生達が輝いて見えた。

そんな光景を目に添えながら後ろを歩いていた中学生男子。

高岸 時矢(たかぎし ときや)。

雪でグラウンド状態が悪くなってると見て、この時間に登校した。

中学2年生。身長は165cmほど。

比較的髪は長く、容姿も多少整っている。

頭が良いわけでもなく、運動神経が良いわけでもなく。

ただ、ずば抜けて足が速い。校内はもちろん、県内2位の記録を持っているほどだ。

なのに、サッカー、野球、バスケなどの球技。

ハードル走、幅跳び、握力・・・。

最悪ではないが、ピンと来ない記録ばかりだ。

学校では「七不思議」と呼ばれるほど、謎めいている。

「おーい。トキ。」

時矢の後ろから走ってきた1人の中学生。

「トキ」は時矢のあだ名。親しい男子が主にそう呼ぶ。

そして、彼も時矢の友達の1人。

坂井 冬吾(さかい とうご)。

身長162cm 時矢と比べると少し小さい。

髪は短く活発的なイメージは強い。

見た目通り、スポーツマン・・・ではない。

運動神経はピンと来ない。時矢と同じだ。足は別として。

ただ、勉強はずば抜けている。学年トップは彼の指定席だ。

冬吾はそのまま話し始めた。

「おい、聞いたか?また、あの書き込みあったって。」

「あぁ、聞いたよ。」


「あの書き込み」とは何か。

時矢が通う学校「野戸木中学校」(のとぎちゅうがっこう)。

彼らの学校に「爆弾を仕掛けた」とのネット上での書き込みがここ数年後を絶たない。

そのたび学校側は学校を休みとしてきたが・・・

全部の書きこみがウソで、一度も学校が爆発したことなんてない。

それで、今回。またその書き込みが見られたのだが・・・

学校側はまたイタズラと判断し今回初めて生徒達を登校させたのだ。

進級してからこれで11回目となる。


再び、冬吾が口を開いた。

「あーあ。1日家でゴロゴロできると思ったのに。」

時矢が相槌を打つ。

「つーか、普通生徒の事考えて登校させないよなぁ。」

「全くだよ。。。」

「まぁ、振替で土日が消えるよりかはマシかな。」

「そーいわれると、そーだけどねぇ。」

そんな話をしているうちに2人は校門に辿りついていた。

「そーいえば、時矢。今度、陸上部の大会あるんだっけ?」

「まぁね。今度こそは1位を!」

「頑張れよ。応援してるからなっ。」

「つーか、冬吾はまだ部活入んないのか?」

「いいんだよ。メンドーだし。」

「へっ。冬吾らしいなっ。」

それからしばらくして2年生の教室に彼らは着いた。

時矢と冬吾以外のクラスメイトは全員クラス内に居て、この2人が最後の入室となった。

取りあえず2人は自分の席に荷物を置いた。

その次の瞬間だった。

:CONTINEW:

























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